FaSTARは、基本的にセル中心法の有限体積法により解析を実行しますが、セル節点法にも対応可能です。
FaSTARでは、時間積分をLU-SGS陰解法によりおこないます。LU-SGSでは、以下の解析モードが選択可能です。
- 定常解析モード
- CFL固定もしくは時間刻み固定で進行します。local time steppingで収束加速が狙えますが、計算が不安定な場合はglobal time steppingによる進行も可能です。
- 非定常解析モード
- 疑似時間進行法により、時間二次精度の積分を実行します。時間進行は時間刻み固定のglobal time steppingが設定されます。疑似時間進行はCFL/時間刻み固定×local/global time steppingの組み合わせ(原理上一部制限あり)になります。
さらに、これらのモードに対して低速用前処理を適用することができます。
また、Multigrid(FAS), Krylov method(GMRES)を適用することで収束加速が期待できます。
FaSTARでは、空間勾配再構成のために以下の手法が使用できます。
- Least-Square
- 対象セルおよびその周囲のセル中心(節点)座標を用いて、線形分布を最小二乗法で近似する手法
- Green-Gauss
- Green-Gaussの定理を用いて、対象セルおよび隣接セルの値からセル表面の値を近似し、セル内勾配を算出する手法
- GLSQ
- セルアスペクト比に応じてLeast-SquareとGreen-Gaussをブレンドして勾配を評価する手法
FaSTARでは、勾配評価で算出した空間勾配を用いてMUSCL(Monotonic Upstream-centered Scheme for Conservation Laws)外挿をおこなうことで、高次精度化(空間二次精度)を図っています。
また、Burgにより開発されたU-MUSCL(Unstructured-MUSCL)により更なる高次精度化(空間三次精度)も可能です。
FaSTARでは、高次精度化したときの計算安定化のために以下の勾配制限関数を適用することができます。
- differentiable limiter
- Hishida(van Albada type, van Leer type), Venkatakrishnan
- non-differentiable limiter
- Barth-Jespersen, minmod